ハレゾラ
「自分が思ってたよりも、かなりショックだったんだ。そんなに泣くぐらいだったらどうして別れたくないって言わなかったの?」
「5年も付き合ってきたのに恵介、私は強いから一人でも生きていけるだろうって……。そんな事言われたら、30過ぎてる私みたいな女は、大丈夫よって言うしかないじゃない!」
「咲は本当にバカだね。我慢することないのに……」
そう言いながら私が泣きやむまで、そっと肩を抱いていてくれた。
希美の言うとおりだ。私はなんてバカな事しちゃったんだろう。
5年も付き合ってたんだからこそ、もっとわがまま言っても良かったんだ。
そんな事に今更気付くなんて……私って本当に大バカだ。
その後、しばらくして落ち着いてきた私は希美に、
『一生、仕事一筋で生きていく宣言』
なるものをして、家で可愛い奥様の帰りを待っている翔さんのところに希美を帰し、私も帰宅の途についた。