ハレゾラ

それから3日後、坂牧はたくさんの土産を手に出社してきた。
そして、いの一番に私のところへ来て、後ろから両肩に手をおいた。


「チーフ、それセクハラ」


そう言ってから坂巻の方へ振り向き、睨みつけた。
ここはビシッと言ってやらないといけない。
しかし私のそんな態度にも全く怯むことなく、尚も近づいてくる坂牧。


「なに照れてんだよ。お前にも土産買ってきてやったから、今度の日曜日家に
 来い」


周りにいた後輩たちから、おぉーっと歓声が上がる。
もう否定する元気も出てこない。


「はいはい。行きますよ……」


今度はヒューヒューと口笛がなった。もう好きにしてくれという感じだ。
ここで話をすると坂牧には勝てない。坂牧の家に行って、ちゃんと話をした方が
いいと思った。
申し訳ないが、坂牧と付き合う気は全くない。だとしたら、早くその事を伝えなければい坂牧に申し訳ない。

彼……、翔平くんに会う前に……。
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