ハレゾラ

「俺達は3兄妹なんだけど、両親が結構前に離婚しててな。で、その時に俺は
 父親に引き取られ、妹とこいつは母親に引き取られたんだよ。だから苗字が
 違うわけ」


「そうだったんですか。すみません、余計なこと聞いてしまって」


でも、よく見ると何処と無く似てるかも……。そう思うと少し可笑しくて、笑顔
をこぼしてしまう。


「ねぇ咲さん。そこ笑うとこじゃないし」


「あっ……、ごめんなさい」


しまった。今はそんな笑ってられる状況じゃなかったんだ。
彼の口調、ちょっと怒ってる感じだし……。
少しだけ居心地の悪い気分でいると、坂牧がいつものように豪快に笑った。


「別にいいじゃないか、笑っても。翔平もちょっと肩の力抜け」


そう言ってソファーに座り込んだ。


「お前たちも、さっさと座れ」


そう促され、二人並んで座る。
肩と肩がぶつかる。それもそのはず。彼は私にピタっとくっついているのだ。
それを見て苦笑する坂牧。
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