ハレゾラ

小悪魔、久々の登場!

ちょ、ちょ、ちょっとぉぉぉぉっ!!!!!
眼の前には坂牧……じゃなくて、あなたのお兄さんがいるんですけどっ!?
慌てて唇を離そうと身動ぎしたけれど、貪るようにキスをする彼の力は驚くほど
強く、びくともしない。
彼が目を開き私と合うと、その奥底に何やら黒いものを感じる彼の瞳が怪しく弧
を描いた。その瞳を見た私の脳は、一瞬にして危険を察知。次の瞬間、自分でも
驚くような力で彼の身体を突き飛ばした。 


「いいかげんにしてぇぇーーっ!」


そう怒鳴ると一瞬だけ目を見開いたが、倒れたまま、すぐにいつもの小悪魔な
顔に戻し笑みを作る。
その顔からは、全く反省の色は見えない。
全く、何考えているんだか……。
尻餅をついて倒れている彼の近くに行き、手を差し出す。
私の手を握りぐっと顔を寄せると、彼が小さな声で囁いた。
 

「……この続きは後で……」
 

その言葉に呆れるやらドキドキするやら、思わず手を離し彼はもう一度尻餅を
つく羽目になった。 

そんな二人を見て、坂牧が苦笑していたのは言うまでもない。


  
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