ハレゾラ
「それに、小さくて可愛くて……若かった……」
自分とは全く違っているような気がして、だんだん尻つぼみに声が小さくなって
しまう。翔平くんだって、ほんとは若い子のほうがいいに決まっている。
「あれでも、もう30なんだよ。でも30なんて思われたくないから、いろいろ
努力してるんだってさ」
ソファーで背伸びしながら「俺には理解出来ないけどね」と呆れた顔をした。
あれで30!? 努力しただけでは到底無理だというくらい可愛い人だった。
それに比べて私は……。
そこそこ身長もあるし、可愛いわけでもないし、もう33だし。しかも歳相応に
見えるはずだ。30を過ぎて「若く見えるね」なんて言われたことがない。
自分で自分が可哀想になってしまった。
「ねぇ、また一人で考えて一人で落ち込んでない?」
相変わらず、私の心の中を読むのが得意みたい。
そして、また言われるんだろう……。
「「ちゃんと言わなきゃ相手に気持ち、伝わらないよ」」