ハレゾラ
「その隠してる可愛い顔を、僕に見せて」
そう言うと、少しだけ体を離し私の両手を掴んで顔の両横に押し付けた。
透き通った綺麗な目が私を見つめている。その彼の瞳が放つ魅力から目をそらす
ことができなくて、私も彼を見つめ続けた。
「もう絶対に離さないから」
彼はそう言ってから、ぎゅっと強く抱きしめた。そっと唇が重なる。さっきまで
の貪るようなキスとは違って、とても優しく私の身も心も虜にしてしまうような
媚薬のキスだ。
その媚薬の効果は抜群で、私はあっという間に何も考えられなくなってしまう。
彼にされるがまま唇を重ねあっているうちに、いつに間にか二人共、生まれたま
まの姿になっていた。
「咲さんの身体、ピンク色に染まってる。火照ってるね」
彼の右手が私の胸を優しく包み込む。もう片方の手は私の髪を梳きながら、可愛
い顔で魅惑な眼差しを向けてきた。そのギャップに、わたしの身体は敏感に反応
し始めてしまい、自分から彼の背中に指を這わせた。
彼は少し苦笑すると、それが合図だったかのようにもう一度私を抱きしめ唇を強
く重ね、息もできないくらい深く舌を絡ませてきた。
「……んっ……んぅ……」
この激しいけど甘いキスで、私の身体を中心まで溶かしていく。
部屋中にお互いの吐息が響き渡り、私の身体を熱く刺激していく。
そしてふたつの身体がひとつの身体に重なり合うと、その快感が私の脳をも刺激
して意識を朦朧とさせていった。