ハレゾラ

笑いすぎだって言うのっ!
私のことなんて、どうせお見通しなんだよね。
隠してるつもりが、全く隠れてない私の胸の内。
もう怒る気にもならない。いつものこと過ぎて……。
彼が大笑いして腕の力が抜けているうちに、その場からスルッと逃げ出し布団を
纏った。
あっちこっちに散らばっている服と下着を手に取り、ちょっと行儀が悪いのは承
知で足で隣の部屋の襖を開ける。中に入るとクルッと向きを変え彼を見据え、人
差し指を彼に指した。


「いいっ? 罰として朝ごはん、作ってあげないんだからっ!!!」


そう言うと襖をバタンと閉めて、急いで服を着た。
リビングからは、彼の悲痛の声が響いてくる。


「咲さん、ごめーんっ。お腹空いたぁ~。僕にも朝ごはん。じゃないと死んじゃ
 うー!!」


その大袈裟な叫びに、思わず笑ってしまう私だった。
 

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