ハレゾラ
もしかして翔平くんかな……。そんな訳ないか。いくらなんでも早すぎる。
そう思いながらも、携帯を見てみた。


「わぁ、翔平くんからだ。まだ起きてたんだ……」


すぐにメールの返信が来た事がとても嬉しかった。また胸の奥がキュンッと
疼く。慌てて携帯を開いた。


『朝まで起きないと思ってたけど、もう大丈夫? 咲さんをお姫様抱っこして
 運べたんだもん。迷惑なんかじゃないよ。まぁ、ちょっと重かったけどね。
 って、ウソウソ! 勝手に鍵さがして部屋に入っちゃって、こっちこそご
 めんね』


ひぇぇぇぇ~っ! お姫様抱っこ!? は、恥かしいっ!!!


意識がなくてよかった~。あっ、意識があったらお姫様抱っこされてないか。
ウソウソなんて言ってるけど、やっぱり重かったよね。ちょっとダイエットした
方がいいかな。って、私、また抱っこしてもらう気でいるし……。


なんかドキドキしてきたんですけど。それに、ちょっとだけ寂しくなってるし。
急激に私の中の何かが上昇していく感じがした。


(あと一回だけメールしてもいいよね)
 

そう思った時には、もうすでに指が動いていた。
< 42 / 237 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop