ハレゾラ

「飲みすぎっ。って、咲さんが飲みすぎる状況を作った僕も悪いんだけど」


そう言いながら、頭をそっと撫でてくれる。彼の温もりが心地よくて、自分
から寄り添っていった。少しずつ痛みが和らいでいく感じがする。

でも、いいのかなぁ。年下の彼にこんな事してもらっちゃって……。
私の方がお姉さんなんだし、もっとしっかりしないといけないよね。
彼から少しだけ身体を離す。


「迷惑かけて……ごめんなさい。これからはちゃんと考えて飲むようにする
 から」


目を開いて、彼にきちんと謝罪した。
すると彼がまた、さっきも見せたような寂しい顔をした。
 

「……もっと甘えてくれてもいいのに……」


今にも消えそうな声で言った彼のその言葉を、私は聞き取き取ることが
できなかった。
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