ハレゾラ
「したくなっちゃったの! 悪い?」
素直になれなくて、可愛くない態度をとってしまう。
「悪くないよ。嬉しいって言ってるのに。素直じゃないなぁ」
私の事はお見通しと言わんばかりに、少しだけ怒ったようにそう言った。
この歳になると、簡単には甘えたり素直にはなれない。
特に、彼のように年下ともなると尚更だ。好きだからと言う気持ちだけで
突っ走っていいものなのか分からなくなる。
すごく好きになっているから、余計に怖い……。
「朝食作るね。トーストで……いい?」
つとめて明るく、ごめんなさいの気持ちを込めながら言った。
その気持ちが伝わったのかどうかは分からないけれど、彼も笑顔で頷いてく
れた。