ハレゾラ
自分らしく
翌週の月曜日、いつもと同じ時間に家を出て、いつもと同じ時間の電車に乗り
込んだ。でも先週までとは、明らかに気分が違っていた。
顔が勝手にニヤニヤしてしまう。
なんとかピシッと気持ちを整えて、ニヤつく顔を引き締める。
すると、いつもと同じ駅から希美が乗ってきた。
「おはよう」
いつものようにそう声をかける。
「そんな顔して、彼氏でも出来た?」
やっぱり何故分かる……。努めて普通の表情で挨拶したつもりだったのに。
でも彼氏と言う言葉を聞いて、また顔がニタ~と崩れてしまう。
「図星だったかぁ~」
何ヶ月か前に、同じようなやりとりしたのを思い出した。
あの時は彼氏と別れた後だったんだけど……。
「じゃあ話聞かせてもらおうかな。今晩空けておいてあげるから」
「は~い。お願いします」
希美には逆らえないからね。それに彼女には、ちゃんと報告しておかないと
いけない。