ハレゾラ
自分らしく

翌週の月曜日、いつもと同じ時間に家を出て、いつもと同じ時間の電車に乗り
込んだ。でも先週までとは、明らかに気分が違っていた。
顔が勝手にニヤニヤしてしまう。
なんとかピシッと気持ちを整えて、ニヤつく顔を引き締める。
すると、いつもと同じ駅から希美が乗ってきた。


「おはよう」


いつものようにそう声をかける。


「そんな顔して、彼氏でも出来た?」


やっぱり何故分かる……。努めて普通の表情で挨拶したつもりだったのに。
でも彼氏と言う言葉を聞いて、また顔がニタ~と崩れてしまう。


「図星だったかぁ~」


何ヶ月か前に、同じようなやりとりしたのを思い出した。
あの時は彼氏と別れた後だったんだけど……。


「じゃあ話聞かせてもらおうかな。今晩空けておいてあげるから」


「は~い。お願いします」


希美には逆らえないからね。それに彼女には、ちゃんと報告しておかないと
いけない。
< 58 / 237 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop