ハレゾラ
「嫌いにならないで……」
すぐに消えそうなくらい小さな声で、勝手に口から零れ出た言葉。自分でも
気付かないうちに出ていた。声が震えている。
「馬鹿だなぁ、なんで僕が咲さんを嫌いになるの? 1日1日どんどん咲さん
の事が好きになってるのに」
きっと、いつもの私の大好きな笑顔でそう言ってくれてるんだろう。
彼はいつもいつも、私の心を数秒で温めてくれる。心がポッと温かくなる。
いいのかなぁ、こんな私が甘えても。
ほんとにもう、どっちが年上なんだか……。
よしっ! 今度の土曜日、本当の私で素直になって、彼と一日を過ごそう。
心にそう決めると、それを彼に伝えた。