ハレゾラ
「図星だったかぁ~」
 

そう言いながら私の顔を覗き込む。思わず顔を背けてしまった。そして、力ない声で呟く。
 

「今日一日ぐらい、優しく出来ないかなぁ……」
 

柄にも無く私がちょっと甘えて見せると、厳しい声が飛んできた。
 

「私に甘えるなっ!」
 

だよねぇ~。希美はそんな事してくれないですよねぇ~。
 

分かってるけど今回はちょっと重症みたい。
いつになく反応が鈍い私に気付いたのか、希美が苦笑した。
 

「でも話くらいは聞いてあげるわ。今晩空けておいてあげるから」


「うん……ありがとう」
 

ほんの少し気分が晴れた気がした。
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