ハレゾラ
納得いかなくて、1人ボソボソ言いながら玄関の鍵をかけた。
鍵をバックの中にしまい振り返ると、いつもの笑顔で「はい」と手を差し出し
てくれる。彼の笑顔を見て思い出した。
(今日は素直な私で……)
そっと彼の手を握った。グッと引き寄せられ彼との距離が縮む。
もうこれ以上なくドキドキしながら彼の顔を上目遣いに見てみると、今度は
何とも意味深にニヤリと笑った。
なんですか、その笑顔。やっぱり小悪魔……。
もう、どうしたらいいのよ私。
挙動不審な動きをしている私を見て、クスクス笑いながら歩き出す彼。
そのまま引っ張られて歩き出す私。
はぁ……。まだ今日は始まったばかりなのに、もうかなり体力消耗。
こんなんで今日1日乗り越えられるのだろうか……。