ハレゾラ
「今日の目的地は時間が重要だから、こまめに休憩とって、時間の調整しな
がら行くね」
高速に乗ってしばらく走ると彼がそう言った。
(時間が重要?)
う~ん……。どこに行くのかまったく検討がつかない。聞いても「おたのしみ」
と言うだけで教えてくれないし。
でも彼が楽しそうにそう言うって事は、きっと素敵なところなんだろう。楽し
みにしておこう。
こんなことを考えてる時間さえ、楽しかった。
一つ目のサービスエリアに寄り、ランチをとることにした。
せっかく早く起きたのに、身支度に時間がかかってしまい朝食を食べ損ねてし
まった。お腹は超ペコペコ。
彼の前だからあまりがっつくのも嫌だったけれど、食い気に負けてしまい、
なんとも女の子らしからぬ『カツ丼定食』なるものを注文してしまった。
彼はてんぷらそばを食べながら、私が一心不乱にカツ丼を食べている姿を見て
微笑んでいた。