ハレゾラ
その後も時間調整のため何度か休憩をとり、夕刻、山の中腹にある海が綺麗に
見渡せるサービスエリアに入った。


「はい、今日の目的地はここ」


「え? サービスエリアが目的地って……」


こんな所に何があるって言うんだろう。そう疑問に思っていると、彼が私の
手を握って売店に向かった。


「すみません。これ下さい」


そう言って彼が手にしたものを見てびっくりしてしまう。

(南京錠?)

鍵なんて買ってどうするの? また疑問が増えてしまった。
?マークが頭いっぱいになって変な顔をしている私を見て、彼がクスクス
笑う。そして徐に、ポケットからマジックを取り出した。


「ここに二人の名前を書いて、裏には願い事を書くんだ」


「そ、そうなんだ」


少し大きめの南京錠とマジックを渡された私は、言われたとおりに名前を書く。
私が名前を書いたのを確認すると、彼も隣に名前を書き足した。
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