ハレゾラ
「願い事は何にするの?」
「『永遠に離れない』っていうのはどう?」
どう?って。そんな顔近づけて……。耳に唇が当たってるんですけどっ!
(そ、そんなこと言うと、本当に離してあげないぞ。この小悪魔っ)
なんて、絶対に口にはできないことを考えながら、うんうんと頷く。
でもその鍵をどうするって言うんだろう。
彼は、願い事を書き終えるとまた私の手を握ってきた。今度は一本一本指を
絡ませギュッと恋人繋ぎをしてしまう。
その行為に胸がドクンと高鳴る。私もそれ応えるよう、指に力を込めた。
彼に連れられて歩いていると、そのサービスエリアで一番景色がよく見える
場所に着いた。
転落防止の為に設置してある柵をよく見てみると、大小様々な南京錠が所狭
しと繋っている。
これはどういう事? と問いかけるように彼の顔を見た。
「ここはね、海に沈む夕陽がとても綺麗に見えるところで有名なんだ。その
夕陽を見ながら二人一緒に願いを込めて南京錠を架けると、その願いが叶っ
て幸せになれるんだって」