ハレゾラ
「責任もって、身体洗ってもらわないとなぁ~」
ニヤッとしながら私を見下ろしてくる彼。
また登場したか、この小悪魔っ!
「身体は自分で洗ってください。責任は別の事で」
「まっ、その話は後にして、早くご飯食べちゃおうよ」
また後で話すんですか……。忘れちゃってくれてもいいんだけど。
まだ鼻をグズグズさせながら座り直して、食事を再開させた。
(あ……ちょっと冷えちゃってる)
天麩羅を口にし、申し訳ないように彼の顔をみた。
「咲さんの嬉し泣きが長かったから、冷えちゃったね」
小悪魔がエスパーに変身!
どうしてすぐに、私の心の中が分かっちゃうんだろう……。
(そんなに分かりやすく顔に出ちゃってるのかなぁ?)
両手で自分の顔を触ってみる。そして、そんな自分にぷぷっと笑ってしまった。