MAYUKI
美術準備室で・・・
放課後、あたしは美術準備室にこっそり入った。
一人でゆっくり本が読みたくて。普段は屋上とかに行くんだけど、なんとなく気分を変えてみたくて。

机のかげに隠れるように座って読んでたら、物音がして誰か入ってきた。

『大丈夫、誰もいないよ』
『でも・・・やっぱはずかしいよ』

えー、何?何の話?
あたしはドキドキした。
隠れてるのまずいかな・・・。
そんなことを思ってたら・・・。

『あんっ・・・』
『おっきい声出しちゃだめ』

ええええええ!?
う、うちって女子校だよね!?

『美香子・・・好きよ・・・』
ちょっと低めの声で、一人の子がささやくと、
『あ、あたしも・・・』
うわずった声でもう一人が答えた。アニメ声っていうか、すごい可愛い声。
くちゅくちゅいう音がするのって、キス・・・?
『美香子の胸・・・やわらかい・・・ブラはずして、見せて』
『いや・・・ここじゃだめ・・・』
『じゃあ、先にこっちを見ちゃおうかな』
『あっ、だめえ・・・』

本物だ・・・。
どうしよう、今更出ていけないよ・・・。

その時!

バサッ。

あたし、本おとしちゃったよ!!!
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