告ル [短編]
そこには白い布がかかった

智がいた。


「まだ綺麗でよかったわ」

智のお母さんが

涙を流しながら言う。

さっきまで一緒に笑ってた

人がここにいる。



信じたくない、でも夢じゃない。






初めて本気で



“死にたい”


なんて思った。


私は智の唇に唇を重ねた。


冷たい唇。


もうここにはいないことを

確信させられる。


認めたくない。



認めなければならない。



一気に涙があふれる。


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