キケンだらけの課外授業~私の周りは不良がいっぱい!?~
タツが消え、佐和は再び教科書を手にしながらクスクスと笑う。




「相変わらずタツは可愛いね」


「は?可愛いか?坊主に眉がねぇとか怖いだけだろ」


「違うよ、性格の話だよ」


「あ?」


「陣に憧れて大好きなのが、ひしひし伝わってくる。陣も分かってるでしょ?」


「…………」




ニコニコしている佐和に、俺はなんだか気恥ずかしくなりプイと顔を背けた。



「ふふ、陣も素直じゃないところが可愛いよね」


「あぁ?黙れよ、殺すぞ」


「はいはい、じゃあ教科書読むから寝ちゃ駄目だよ?」




佐和がまた教科書を音読し始めたから、俺は静かに目を閉じた。


まぁ、タツが動けばとりあえず守の件は大丈夫か。





この時の俺はそんな風にのんきに考えていた。



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