キケンだらけの課外授業~私の周りは不良がいっぱい!?~
「あ~、うっせー」
伊勢谷先輩は耳に指をさす仕草をしながら顔をしかめる。
「陣さん、こっちっす!」
さっきのタツがそそくさとテーブルを用意して
そこに当たり前のようにドカッと座る伊勢谷先輩。
その姿はまるで王様だ。
噂には聞いていたけど、あまりの凄さにポカーンとしてしまう。
あんなに騒いでいたギャルもいざ伊勢谷先輩を前にすると近寄ることも出来ていなかった。
その時、ふと偶然、
伊勢谷先輩とパチッと目があった。
「っ!!」
ドキッとして、泣きべそをかいていたあたしは一瞬で鼻水をすすり上げる。
吸い込まれそうなクールな瞳に無条件に胸がドキドキして…
同時にその圧倒的なオーラにあたしの体は動けなくなった。
「…………」
一方、伊勢谷先輩はフイと何事もなかったように目を反らした。
先輩にとっては誰かと目が合うぐらい日常茶飯事なんだろう。