Sugar × Spice Ⅱ〜恋人は年下幼馴染〜
「ちょ、なっ、なっ、なんで涼がっ…」
私はシーツを掴むと、ベッドの上で後ずさりした。
涼が仁王立ちで、上から私をじろりと睨む。
「なんでじゃねーよ。
てめぇ、今何時だと思ってんだ」
「な、何時って…あ!」
時計の針は、お昼の12時ちょっと過ぎを指していた。
そうだ…
今日、涼に出かけようって誘われてたんだっけ…
私、いつもの調子でつい……
「咲起きたの?
ごめんねぇ、涼君。
咲は日曜になるといつもこんな感じだから〜。
絶対昼まで起きないのよ」
お母さんがドアから顔を覗かせて、そう言って去って行った。
「ご…ごめん…すぐ支度するから」
「もういーよ。映画の時間間に合わないし」
涼は大きくため息をつきながら、私のベッドに腰をおろした。
“うぅ……起きれないなんて、私って最低…”
私はひとり、ベッドの上でうなだれた。
涼は、お向かいに住む幼なじみ。
私より5歳年下で、この春大学生になったばかりだ。
大学生になった途端、涼は色気付いたのか、パーマなんかかけちゃったりして…
“なんか…どんどんかっこ良くなってきやがって…
腹立つなぁ…”
昔は女の子みたいに可愛かったのに、
その頃のおもかげなんてまるでない。