Sugar × Spice Ⅱ〜恋人は年下幼馴染〜
“俺は咲が好きだよ。
小さい頃からずっと、咲のことが好きだよ。”
1ヶ月半前。
突然涼からそう言われた。
昔からずっと、お向かいに住む優兄ちゃんのことが好きだった私。
優しくて、いつも私のことを気にかけてくれる、大好きな大好きな“お兄ちゃん”。
涼はその優兄ちゃんの年の離れた弟で、
私にしてみても、本当に弟のような存在だった。
中学に入ったくらいから生意気になって、昔のように私のあとを追いかけることもなくなって…
代わりに、優兄ちゃんが私にするみたいに、たまに私の頭にポンと手をのせる。
叩くわけでも、撫でるわけでもなく、ポンってする。
そうされるのが私は無性にくやしくて、ムズムズした。
“もう…なんなの?
なんで涼はそんな普通なのよ…”
突然、お兄ちゃんは私のお姉ちゃんと結婚することになった。
おっちょこちょいで、どこかぬけてて、
カレーにグレープフルーツジュースを入れて酸っぱくしちゃうような、私のお姉ちゃん。
優兄ちゃんは、そんなお姉ちゃんを選んだ。