Sugar × Spice Ⅱ〜恋人は年下幼馴染〜
「えっ?!あんたたち付き合ってるんじゃないの?」
会社のロッカールーム。
制服に着替えながら、同僚のミカが聞いた。
「だって好きだって言われたんでしょ?
キスまでしたんでしょ?!」
「ちょ、声おっきい!」
私は慌てて周りを見渡した。
「…そうだけど、
でも、“付き合おう”って言われたわけじゃないし…」
「はぁ?バカねー。18年も幼なじみして、今更改めて言う方がおかしいわよ」
「そ、そうかもしれないけど…」
「わざわざ言わなくても、お互いそのつもりなら通じるモノでしょ?」
「…そういうもん…?」
腑に落ちない気持ちで、私も制服に着替えた。
……だって、わからない。
どうしたら、恋人同士になるのか…
どうしたら、幼なじみじゃなくなるのか…
その切り替わるタイミングって、“付き合おう”って言葉なんじゃないの?
今まで男の人と付き合った経験がないから、
恋愛ってどういう風に始まるものなのか、私には全然わからないよ…。
「咲はどうなのよ?
涼君のこと、好きなんでしょ?」
「そりゃ、嫌いではないけど…」
私は言葉を濁した。