☪ 幸 せ 屋 さ ん .



「此処は、幸せを売る店です」


それって、幸せ自体を売るって事だったの?


馬鹿げてる。


人間すべてが幸せになれるわけではないんだ。


そんな事、できるわけが・・・


少し目を伏せ気味にした私の心情を読み取ったかのように


少年は口を開く


「幸せになる権利は誰だってあります」


「少し、そのお手伝いをさせていただくだけです」


吸い込まれるようなその瞳に


真っ直ぐ捕えられて


心が揺れる


先輩・・・先輩・・・、


「きっと笑顔にしてみせます」


『お前の笑顔、すっげー好きだな』


先輩・・・っ


「私に幸せ、頂戴?」


「勿論です」










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