☪ 幸 せ 屋 さ ん .



「・・・あれ?」


キョロキョロと周りを見渡す


家に向かって歩いていたはずなのに


いつのまにか知らない道にでていた。


どうしてだろうと首を傾げていると


可笑しな看板が目に留まる。


「幸せ売ります・・・?」


幸せ・・・


先輩と付き合い始めたころの


楽しい思い出を思い出す。


『綾香・・・好きだよ』


『私も、私も好きですっ』


【嗚呼、ごめん、俺用事入っちゃってさぁ】


「・・・っ」


あの頃のように・・・戻りたい


先輩が、本当に私の事まだ好きなのか


確かめたいっ


そう願ったら足は自然と


店の方へと向かっていた


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