欲情に足枷
きっと歴代の従順な彼女たちは、こんな彼の姿を知らないだろう。
もったいない。
こんなにも、色っぽい表情をしているのに。
「……もういい」
床に吐き出された弱々しい声ですら、堪らない。
要望を飲み込むことなく、まだ重みを増しそうな立体物を彼の黒い茂みに押し付ければ、扇情的な呻き声。
すぐさま牽制の視線を向けてきた彼のそれは、何の効果も持たない。
今にも爆ぜそうなほど情欲の色を孕んで、科を作っている彼の姿に口の端を上げた。
「もっと見せてよ」
そしたら何でも、言うこと聞いてあげる。
【END】