Black Coffee.





『 ・・・菜緒ちゃん!!! 』





メールも電話も返していなかったから
きっと心配しているだろうな、と
開口一番に”ごめんね”を言おうとした
口は開いたまま動かなかった。





『 今まで何してたの?どこにいたの?
  何で連絡くれないの?心配したんだよ! 』





怒鳴るように全てを言い放った紗希に
小さく謝れば”ごめんねじゃないよ”と
更に怒られてしまった。





フラれて、挙句何も言えなくて、
逃げるように帰ってきました、なんて
言ったらもっと怒るんじゃないかな。





『 菜緒ちゃんさ、前からそうだけど
  一人で抱え込むの、よくないよ?
  癖なんだろうけどだめだよ 』


「 ・・・・一人で・・・? 」


『 そうだよ。人一倍悩んでるくせに
  顔にも出さないに言葉にもしないから
  気付かないことが多かったけど、
  一応悩んでることは知ってたよ。
  話してくれるまで待ってたけど
  結局話してくれなかった 』






< 120 / 174 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop