Black Coffee.
『 ・・・菜緒ちゃん!!! 』
メールも電話も返していなかったから
きっと心配しているだろうな、と
開口一番に”ごめんね”を言おうとした
口は開いたまま動かなかった。
『 今まで何してたの?どこにいたの?
何で連絡くれないの?心配したんだよ! 』
怒鳴るように全てを言い放った紗希に
小さく謝れば”ごめんねじゃないよ”と
更に怒られてしまった。
フラれて、挙句何も言えなくて、
逃げるように帰ってきました、なんて
言ったらもっと怒るんじゃないかな。
『 菜緒ちゃんさ、前からそうだけど
一人で抱え込むの、よくないよ?
癖なんだろうけどだめだよ 』
「 ・・・・一人で・・・? 」
『 そうだよ。人一倍悩んでるくせに
顔にも出さないに言葉にもしないから
気付かないことが多かったけど、
一応悩んでることは知ってたよ。
話してくれるまで待ってたけど
結局話してくれなかった 』