Black Coffee.





”この際だから全部言う”と
紗希はあたしへの不満をぶつけて、
何故か泣き出してしまった。





『 もう少し・・・信用してよっ・・・ 』


「 ・・・・紗希 」





信用してないわけじゃない。
一々小さいことで悩む自分が
バカらしくなって話す前にケリが
ついてしまうだけだ。
話そうと思えば話せたこと、だけど
話すほどのことでもなかった。





ただ、それだけのこと。





「 あのね、紗希 」


『 ねぇ、菜緒ちゃん 』


「 うん、なに? 」





こんなことを言えばきっと
また怒らせてしまうんだろうけど
”仕方がないか”なんて思って
怒られることを予想しながらも
全てちゃんと話そうなんて
あたしは思っていた。






< 121 / 174 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop