Black Coffee.
”この際だから全部言う”と
紗希はあたしへの不満をぶつけて、
何故か泣き出してしまった。
『 もう少し・・・信用してよっ・・・ 』
「 ・・・・紗希 」
信用してないわけじゃない。
一々小さいことで悩む自分が
バカらしくなって話す前にケリが
ついてしまうだけだ。
話そうと思えば話せたこと、だけど
話すほどのことでもなかった。
ただ、それだけのこと。
「 あのね、紗希 」
『 ねぇ、菜緒ちゃん 』
「 うん、なに? 」
こんなことを言えばきっと
また怒らせてしまうんだろうけど
”仕方がないか”なんて思って
怒られることを予想しながらも
全てちゃんと話そうなんて
あたしは思っていた。