Black Coffee.
「 なに、この荷物・・・ 」
「 お泊りって何持って行くか
迷うから全部持ってきちゃった 」
「 なにそれ・・・ 」
一週間分くらいあるんじゃないか、
ってくらいの量の荷物に苦笑しながら
とりあえず紗希を奥へと行かせて
お茶を淹れた。
「 外、雨じゃなかった? 」
「 うん、降ってなかったよ 」
「 ・・・・そう 」
天気予報はあてにならないな。
一人むっ、としながら濡れた
髪を拭いて淹れたお茶を
紗希へ持っていくと首を傾げられた。
「 何でびしょ濡れ? 」
「 あっちから歩いて帰って来たみたい 」
「 あの雨の中? 」
うん、と頷けば紗希が立ち上がって
首にかけていたタオルを取られた。