Black Coffee.
「 ・・・・紗希? 」
ベッドに寝転がっている紗希に
声をかければ、返事の代わりに
寝息が聞こえてきて、思わず
笑ってしまった。
泣き疲れちゃったのかな。
さっき泣いていたし、
ここまであの荷物を持って
来るのも大変だったんだろう。
”ありがとう”と小さく
お礼を言いながらあたしは
紗希にそっと毛布をかけた。
「 ん・・・あ、菜緒ちゃん 」
「 もう少し寝てていいよ? 」
「 ううん・・・大丈夫 」
毛布をかけたあと、髪を
乾かしながら本を読んでいると
紗希がゆっくり起き上がって
”寝ちゃった”と苦笑していた。