Black Coffee.





「 ・・・・紗希? 」





ベッドに寝転がっている紗希に
声をかければ、返事の代わりに
寝息が聞こえてきて、思わず
笑ってしまった。





泣き疲れちゃったのかな。





さっき泣いていたし、
ここまであの荷物を持って
来るのも大変だったんだろう。





”ありがとう”と小さく
お礼を言いながらあたしは
紗希にそっと毛布をかけた。





「 ん・・・あ、菜緒ちゃん 」


「 もう少し寝てていいよ? 」


「 ううん・・・大丈夫 」





毛布をかけたあと、髪を
乾かしながら本を読んでいると
紗希がゆっくり起き上がって
”寝ちゃった”と苦笑していた。





< 125 / 174 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop