Black Coffee.
「 でも、あたしが納得いかないから
って理由で楓くんを困らせるのは
違うでしょ? 」
困らせる、と分かっていて、
返事が”NO”だと分かっていて、
気まずくなるよりは、
きっと今の方がいいでしょう?
「 ・・・・菜緒ちゃんって 」
「 ・・・・なに? 」
「 やっぱり、ちゃんと女の子だね? 」
この場に似合わない笑顔と
その言葉に、思わず顔を
歪ませていると、”ごめんね”と
紗希は謝って、
「 キツいことを言うけど
でもこれはきっと女の子
みんなに言えることだから、
菜緒ちゃんだけじゃないからね 」
そう言って、もう一度小さく笑って
口を開いた。