Black Coffee.
「 つまり、それって言い訳だよね?
楓くんが困るって分かっていても
今日言うって決めたのは自分でしょう?
いざとなって答えがハッキリしたから
”期待”が壊されてしまったから
怖くて、言えなくなっただけでしょう? 」
「 ・・・・・っ 」
自分の顔が、歪んでいく。
「 逃げた自分が納得できるように
取ってつけた”理由”なんて
ただの言い訳だよ、菜緒ちゃん。
告白は伝える勇気だって必要だけど
それ以上に必要なのは、
”答えをもらう”勇気でしょう?
答えが何でもちゃんと笑って
”聞いてくれてありがとう”って
言えれば、それでいいんじゃない? 」
”違う?”と首を傾げた紗希に
何度か首を横に振って、
そのとき初めて、
自分の弱さを知った気がした。