Black Coffee.





紗希は”優しい”から
きっとあたしにとって
キツい言葉は言わない。





心のどこかでそんなことを
思っていたからか、





「 わっ・・・ごめんね・・・ 」





ボロボロと、涙が溢れ出して、
図星だな、なんて思いながら
あたしは今までのことを
紗希に謝った。





「 あたし、すごい弱かったんだね。
  悩みを言わないって言ってたけど
  言うほどのことでもない、って
  思ってたから言わなかったの。
  結局何もケリなんかついてなかったけど
  自分の中で無理矢理ケリをつけて
  知らないふりしてた 」





それが”逃げ”だとも気付かずに
今までずっとそうしてきた。






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