Black Coffee.





紗希もあたしと同じ特大の
ハンバーグを食べていて、
だけど何故かあたしと違って
順調に食べ進めている。





ハンバーグ食べるのやめよう、
って言ってるわけじゃないことくらい
分かってる。





「 そうやって避け続けてるから
  疲れて、ご飯食べないで
 寝ちゃうんだよ 」


「 ・・・・ 」


「 気まずいことなんてないよ。
  きっともう限界だよ、菜緒ちゃん 」





この一ヶ月、一度も会ってない。
ただずっと同じ本を読み続けて





読み終わるたびに自然と
涙で頬が濡れている。





「 もう、疲れたでしょう? 」





たった一ヶ月。
あたしの我慢と”忘れる”努力は
たった一ヶ月しか続かなかった。






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