Black Coffee.
失恋しようが、何しようが、
時間は止まることなく
進み、流れ続ける。
例え心に傷を負ったとしても
他人はそれに気付くことはなく、
話さなければ知りもしない。
「 おはよう、菜緒ちゃん 」
「 おはよ、紗希 」
三日後のあたしは、すっかり
以前の自分に戻っていた。
といっても、相変わらず目は
腫れたままで、必死にメイクで
隠していた。
「 また泣いたの? 」
「 ん~・・・本、返し忘れちゃって。
返さなきゃ、って思うと・・・ね 」
言うだけ言って、結局は逃げて。
だけど前とは気分は全然違くて。