Black Coffee.
思い切って話しかけて、
思った以上に盛り上がって、
電車を降りる駅が一緒なあたし達は
ホームを並んで歩いた。
「 あたしも同じ時間に乗るんです 」
「 そうなんですか?たまに見かけてましたよ。
よく本を読む子だな、と思ってました 」
茶色い髪が揺れて、彼が笑う。
バイトをして学校へ行って、
そんな生活を続けていると
自然と同じ時間の電車に乗るように
なったらしい。
「 え、そこの大学なんですか? 」
「 ?・・・はい 」
「 俺、その近くの喫茶店で
バイトしてるんですよ。
よかったら来てください 」
”いいんですか?”と聞けば
”もちろんです。大歓迎ですよ”と
彼は優しく笑って、喫茶店までの
地図を描いてくれた。