Black Coffee.
それは、友達としてですか。
なんで聞けるわけもなく
ただあたしは俯いて、
だけど少し話しながら
楓くんをおいかけていた。
「 ははっ。やっぱり空いてますね 」
「 面白いのに、勿体無いですね 」
ガラッとした館内にお互い
苦笑交じりに話しながら
飲み物を片手に一番いい席に座る。
今まで友達としか来ていなかったからか、
隣に、好きな人が座るとなると
なんだかすごく近い気がする。
「 菜緒さん 」
「 ・・・・ッはい 」
「 緊張してるんですか? 」
「 だって・・・! 」
腕が触れそうで、肩が触れそうで。
こんな至近距離にいて緊張しないはずがない。