Black Coffee.





「 実は俺も少し緊張してます。
  この映画すごく楽しみだったので 」





”どうなるんでしょうね”と
彼は微笑んで、”そういうことか”と
あたしは少しガッカリしていた。





しばらくして、照明が消えて
館内が真っ暗になった。





いくつかのCMを見たあとに、
映画は始まって、最初しばらくは
すごく集中していたのに、









「 ~~~~ッ 」


「 あ、すいません 」





小声で謝った彼に首を振って
”いいですよ”と伝える。
リラックスして座っていたあたしは
何も考えずに腕をおいていた。
不意に、その上に彼の手が重なって
悲鳴をあげそうになった。






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