Black Coffee.
告白をしようと思って
メールを打つわけじゃない。
今にも顔を見れば”好き”だと
言ってしまいそうで、
それが怖いから、
あたしは自然と気持ちを
メールにして保存して、
隠し続けている。
「 あ、菜緒ちゃん! 」
「 んー? 」
「 お昼、一緒に食べよう? 」
日陰にあるベンチに座っていた
あたしの目の前まで来た紗希は
どうやらあたしより先に授業が
終わるらしく、先にいつもの
喫茶店へ行って待ってるから、と
それだけ言って走り去っていった。
小さくなっていく彼女の背中に
”元気だな”と苦笑して、
あたしも授業へ向かった。