バカだな、私。
ボーイさんが去っていった後、
「ゴメン、ちょっと席外れる」
そうゆってグイッと残ったお酒を飲み干す。
「え?どうしたの?」
「ちょっと違う席いかなきゃならなくて…ゴメンな」
そっか…そういえばここホストクラブだっけ。
話しが楽しくて忘れてた。
「後で戻ってくるから」
ごちそうさまと言って違う席へ行ってしまった。
なんか…寂しいな。
観月君がどっかいってから違うホストがきたけど考えているのは観月君のことだった。
ヤバい…
好きになってるのかも。
他のホストなんか目に入らないぐらい。
「観月さん狙ってます?」
不意に私の隣に座っていたホストに声をかけられた。
「え?な…なんで?」
明らかに声が裏返ってしまった。