蒼×紅
「…"桜 重三"。」
「おや。"様"、がついていないが、まあそなたならば許すとするかえ。愛しの芽依。」
重三はそう言うと口角を大きくつり上げ、笑ってみせた。
そして桜の姿を目にした客たちと乾は、すぐにその場で頭を下げ、平伏した。
「さあ、行こうか芽依。そなたの為に今日は父上に頼み、異例の30人の行列で来たのだえ。嬉しいかえ?」
「……いいえ。こんな人拐い紛いの行いのための行列なんて、ヘドが出そう。」
「お…おい、朝日さん。」
平伏せず、不快な顔を隠そうともしない朝日に慌てた乾は思わず少しだけ顔をあげた。
「まったく…いつもいつもどうしてそう素直じゃないのかえ?だがそこもそなたの可愛いとこだかえ!」
恍惚の表情を浮かべる重三。
そして…命じた。
「東11区画治安維持組織"桜組"組長、第13長子"桜 重三"の名において、そなたを正式な第3夫人として迎え入れることを命ずる…かえ。」
命令を下すと、重三の側近2人が朝日に向かって同時に歩み始めた。
「嫌…あんたらなんかにあたしは屈しない!」
朝日の目に強い光が宿り、彼女はカウンター下から木刀を取り出した。
それに反応して、2人の側近は懐からそれぞれナイフと銃を取り出した。
「……うるさいなぁ。その子、嫌がってるじゃないか。」
その時。
緊張感のない声が店内に響いた。
「おや。"様"、がついていないが、まあそなたならば許すとするかえ。愛しの芽依。」
重三はそう言うと口角を大きくつり上げ、笑ってみせた。
そして桜の姿を目にした客たちと乾は、すぐにその場で頭を下げ、平伏した。
「さあ、行こうか芽依。そなたの為に今日は父上に頼み、異例の30人の行列で来たのだえ。嬉しいかえ?」
「……いいえ。こんな人拐い紛いの行いのための行列なんて、ヘドが出そう。」
「お…おい、朝日さん。」
平伏せず、不快な顔を隠そうともしない朝日に慌てた乾は思わず少しだけ顔をあげた。
「まったく…いつもいつもどうしてそう素直じゃないのかえ?だがそこもそなたの可愛いとこだかえ!」
恍惚の表情を浮かべる重三。
そして…命じた。
「東11区画治安維持組織"桜組"組長、第13長子"桜 重三"の名において、そなたを正式な第3夫人として迎え入れることを命ずる…かえ。」
命令を下すと、重三の側近2人が朝日に向かって同時に歩み始めた。
「嫌…あんたらなんかにあたしは屈しない!」
朝日の目に強い光が宿り、彼女はカウンター下から木刀を取り出した。
それに反応して、2人の側近は懐からそれぞれナイフと銃を取り出した。
「……うるさいなぁ。その子、嫌がってるじゃないか。」
その時。
緊張感のない声が店内に響いた。