突然!イケメンミュージシャンがキョーダイになったら!?
「明菜、あのね。」
食器を洗う手が止まった。
「ケンジさんが、その…新婚旅行にでも行かないかって。
明菜、どこか行きたいとこないかな?」
照れ臭そうに言ったお母さんが、可愛く思えた。
どうやら、新婚旅行にあたしも一緒に来ないかって
言ってくれてるみたい。
「えぇ!?あたしはいいよー。
新学期も始まったばっかりだし、
せっかくだし2人で行ってきなよー!」
手が泡だらけだから、
自分の肩をお母さんの肩にぶつけた。
「けど、蓮太郎君も仕事でいない事が多いし、
女の子1人じゃ不安だわ…。
それに、なかなか旅行なんて行かなかったじゃない?」
お母さん…
「大丈夫だよー、なんなら!
遥に声掛けたら泊まりに来てくれるだろうし、
旅行だったら、これからゆっくり行けばいいじゃん!
ケンジさんも、無理して働かなくていいって言ってくれてるんだし。」
あたしは本当に2人で楽しんで欲しいって思えた。
こんな可愛いお母さんを見るのは嬉しい。