社長の溺愛・番外編
二人の話。
夏休みには勉強を
「ん……慎…?」
朝、ホテルの寝室で目を覚ますと彼女の大好きな温もりが消えていた
寝ぼけてすりよったところには何もなく、不思議に思って身体を起こす
「慎………どこ…」
枕やシーツがずれているので、昨晩一緒に寝ていたことは確かだ
しかし、何故か彼の姿はなくて翼は不安に駆られる
普段からもそうだが、日々の生活で彼女が1人で過ごす時間はほとんどない
そのため彼女にとっての1人の環境というのはとてつもなく恐怖に近い感情が湧いてくるのだ
あまりにも広いベットの上で怖くなった翼は慎が着せたのであろうスリップ一枚で見慣れない部屋をうろついた
慎が軽井沢に迎えに来て、今日は2日の朝だ
1日目は慎に愛された反動で歩くこともままならなかったが、昨日は彼女の身体のことを考えて一緒に寝るだけだった
だいぶ歩けるようになった翼はキョロキョロと色んな部屋を確かめる
スイートルームの部屋のなかでは慎1人を探すことは簡単じゃない
それに彼女は今日初めて部屋のなかを自由に歩き回ってるのだ
昨日はせっかく軽井沢に来たのだからと慎に外に連れていってもらっていた