社長の溺愛・番外編



「つーちゃん!こんなに可愛くなって」

「なぁ、あんなに小さかった子がすっかり美人に」



昔では足が届かずにつま先を揺らしていた懐かしい思い出がつまったそれに座った翼にべたべたデレデレな我が両親



「慎に意地悪されてない?」

「いじわる……」

「ほら、男の子って好きな子虐めるから」

「……いつも夜」

「言わなくていいから」



明らかに言わなくていいことを言おうとした彼女の唇に指先を宛がえば非難の声があがるが無視



「それよりも、誕生日なんだから」

「もう、久しぶりだからお話したいだけなのに」

「まぁまぁ、母さんつーちゃんだって来たばっかりで疲れてるんだし」

「そうね、あ!ケーキ焼いたのよ、今持ってくるわね」



ぽんぽんと翼の頭を撫でてキッチンに向かった母さんはいつも以上にテンションが高いらしい


父さんは父さんででれでれしながらおっきくなったねー、なんて言っては終始だらしない顔をしている



翼はというと嬉しいのか少しだけ口角を上げて父さんの言葉に耳を傾けている



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