社長の溺愛・番外編



ぽんぽんと一定感覚に布団を叩いて数秒、翼はゆっくり夢の中へ落ちていった


俺もさっさと寝ようとよく幸弘が泊まりに来ていた時に使っていた懐かしい布団を出した



セーターを脱ぎ、ベルトも外してそのまま枕に頭を落とした



明日は朝イチで翼と風呂に入ろう、なんてことを考えて眠りについた



が、しかしその眠りは数十分しないうちに阻まれる


可愛い仔猫ちゃんによって



「慎っ………」



可愛い、切な気な声がしたと思って目を覚ますとベッドの上で寝ていたはずの翼が俺の側に来て泣いていた



「どうした、翼。そんなに泣いて…ん?」



怖い夢でも見たのだろうかと抱き寄せて背中を撫でてやると嗚咽まじりに言葉を紡いでいく



「っ…慎が…隣にいなくてっ……寂しい…いなくなっちゃ…っやだ…」

「あぁ、ごめんな。ベッドが小さいから一緒に寝れなかったんだ」

「やぁだ……一緒…」



珍しく我が儘をいう翼の唇にそっと指を這わす



「じゃあ一緒に寝ようか、その変わり…いい気持ちにさせちゃうかもよ」



夜中に可愛いもん見ちゃったからね、それは仕方ないと翼の着るシャツの中に手を入れる






「エッチなこと……しないって……慎…言ったもん…っ」



数時間前の自分を呪った。



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