社長の溺愛・番外編
「…………」
「……ちょこ!」
どうだ!と言わんばかりに言って見せた翼は輝く瞳を向けてくる
俺はというと宇宙人並みな言語力の翼を可愛く思うと同時に理解力をつけようと密かに思う
「チョコって…?」
最早言う事はないらしい翼には聞かずソファーに座り憎たらしい笑みを浮かべる我が秘書に言の葉を向ける
幸弘はにやにやと勿体ぶりなかなか言おうとしないのでいいから早く、と催促する
「なんだよつまんねーな」
「いいから早く」
「……カレンダー見ろよ」
「は?カレンダー?」
「今日は何日ですかー?」
壁に掛かるカレンダーを指差して今日の日付を言わせようとする幸弘
そして数秒、眉を寄せながら考えた結果ようやく納得する
「バレンタインデーか、今日は」