社長の溺愛・番外編
今朝は早いが俺の両親は無駄に早起きなのでしばらくしたら休みだろうと起きて朝食の準備をするだろう
「顔洗って着替えようか。それからご飯食べたらもう一回作ればいい」
「……うん!」
さっきまでの涙はどこえやら、既ににこにこ笑顔の彼女は手で肩を叩き下ろしてと催促する
「一緒に降りよう、掴まってな」
「はーい」
言われた通りにぴったり身体を密着させて落ちないようにとしがみつく翼を抱きながら部屋を出た
案の定、リビングには新聞を読みながらコーヒーを飲む父さんと朝からいそいそと動き回る母さんの姿が
「つーちゃんおはよう、いっぱい寝れたかなー?」
フローリングに下ろされた翼が父さんの近くに寄ってこくこくと頷く
「そっか、じゃあ顔洗ってきてご飯食べようか」
「……ぱぱ、顔洗う」
「うん、待ってるよ」
朝からでれでれな我が父に目を細ませていると直ぐに愛する仔猫が近寄ってくる
「顔洗おうな」
「早く、早く」