社長の溺愛・番外編
幸弘と南月。
高校卒業し、大学へと進学した南月は現在モデルとして活躍し、雑誌はもちろんテレビやネット、世界を股にかける有名人である。
だがしかし、年を重ねても中身はあのころのままである。
「俺思うんだよね、あんたぜったい死ぬまでひとりだわ」
「え、ちょ、は?どこからそんな会話生まれたの?これ新作発表の打ち合わせだよね?お前まじなに?」
「いや、ふと思った。この人生涯死ぬまでひとりだなって、確信した」
「なんなのお前、誰目線だよ占い師かよこえーよ」
「だってさ、幸弘さんやばくない?毎日慎さんと仕事してホモじゃない?」
「ホモじゃねーよ!!!!」
「だとしたら私生活に潤いがないクソ人間」
「俺今までお前が顔しか取り柄のないクソモデルだからだまってたけど、お前こそ私生活カッスカスだろ!」
「なめんな、俺、彼女いるから」
「は?どうせブス、痛!普通に殴んなよ!」
「ブスじゃねーから、世界で一番可愛いわ」
「写真は?人生の先輩の幸弘様が判断してやろう」
「てめーに見せるわけねぇだろ、妊娠したら取り返しつかねぇ」
「俺そんな特殊能力ねぇから、いいから見せろよ」
「こいつ、俺の写真集撮ったカメラマンなんだけ…」
「超可愛いじゃん俺タイプなんだけど!!!」
「食い気味だなおい」
「え、なに?カメラマンなの?この若さで?まじ可愛いんだけど業界人ね?OK俺も今日の新作発表の現場行くわ」
「来んな、俺の女だって言ってんだろ」
「お前ごときにもったいない、こんなにいい男がいるんだから俺を撮るべきだ」
「ハッピー野郎だな」
「社長!!俺午後から現場いきまーす!!!」
「うるせーな黙って聞いてればてめーはてめーの仕事してろ幸弘」
「………はーい」
「ほらホモじゃん、慎さん大好きじゃん」
「南月もそのホモ説やめろ」
バカな男たちでした。